ども!テル(@Teritter)です。

不動産投資で利回りって表現がよく出てくるけどそもそもどういう意味なんだろう?
表面利回りや実質利回りとか利回りって言葉にも色々意味がありそうだし、詳しく知りたいな。
といった疑問に答えます。
本記事の内容
- 不動産投資における利回りの種類
- 不動産投資におけるそれぞれの利回りの役割
本記事を書いている僕は、名古屋市内に不動産投資用のアパートを持っているいわゆる不動産投資家です。
2016年に初めて物件を購入したのですが、利回りと言えば『表面利回り』。恥ずかしながらその他の利回りの指標についてはあまり気にしていませんでした。
ただ、タイトルの通り、表面利回りは最も多く使われる言葉ですが、最も意味が無い指標でもあります。
今不動産を持っている方も、これから不動産を持とうとしている方も、利回りの種類と役割についておさらいしておくことをおすすめします。

不動産投資で資産を拡大するなら、実質利回り、投資利回りで計算するのは必須です。
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不動産投資における利回りの種類
通常『利回り』と言えば、投資したお金に対しての年間の税引き前利益になります。
例えば米国債を100万円購入して、年間のリターンが3万円で1年後に103万円になった場合、利回りは3%になります。
不動産投資の場合、銀行からローンを引いたり、物件購入時、購入後に経費がかかったり、それぞれの状態で利回りの表し方が変わってきます。
上記の国債の例に対して、不動産投資における利回りの計算は複雑なので、しっかり押さえておきましょう。
本章の内容
- 最も一般的な表面利回り(グロス)
- 物件の稼ぐ力を表す実質利回り(ネット)
- 投資に対してのリターンを表す投資利回り
最も一般的な表面利回り(グロス)
表面利回りとは、物件の売価に対する年間の家賃収入の割合を表しています。
表面利回り=年間収入÷物件価格×100
例えば物件の売価が5,000万円、年間の家賃収入が500万円だとしたら、以下のように表面利回りは10%であることが分かります。
500万円÷5,000万円×100=10%
グロスとは
表面利回りのことを『グロス』と言ったりしますが、グロスとは「総計、全体」を表します。
実際はローンの返済や管理費がかかったりするので家賃収入が満額手元に残るわけではないですが、物件の規模を定量的に把握するためにグロスが扱われます。
ちなみに国の規模や力を表現したりする国内総生産(通称GDP)はGross Domestic Productの略称なので、ここでもグロスが使われています。
物件の稼ぐ力を表す実質利回り(ネット)
実質利回りとは、物件の売価に購入時の諸経費(登録免許税など)を足したものに対して、年間の家賃収入から諸経費(管理費や固定資産税など)を差し引いたものの割合です。
実質利回り=(年間収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100
例えば先ほどと同じように物件の売価が5,000万円、年間の家賃収入が500万円という条件に、購入時の諸経費300万円、不動産保有時の諸経費が年間100万円だった場合、表面利回り10%の物件の実質利回りは以下のようになります。
(500万円-100万円)÷(5,000万円+300万円)×100=7.5%
購入時の諸経費は建物に対する消費税(国と地方)、仲介手数料(不動産屋)、契約書に貼りつける印紙税(国)、登記する登録免許税(国)と司法書士手数料(司法書士)、不動産取得税(地方)です。
不動産保有時の諸経費は物件管理費、固定資産税、清掃費、共用部電気代と水道代、エレベーターなどの維持費、修繕積立金、駐車場代などです。
ネットとは
ネットは英語の「Net」で、この言葉には売上げの正価、あるいは純益という意味もあります。
例えば食品の重量を表すのにNet 〇〇gと書いているモノもありますが、あれは包装を含まない純粋な内容物の重量を表しています。
”網(あみ)”という意味ではないので注意ですね。
投資に対してのリターンを表す投資利回り
投資利回りとは投資した金額に対しての、ネットリターンの割合です。先ほどの国債の例は不動産投資で言うと投資利回りになりますね。
投資利回り=(年間収入-諸経費)÷投資金額×100
例えば上記の物件で購入時諸経費の300万円のみ払いフルローンで物件を購入できたとすると、投資利回りは133%となります。
①(500万円ー100万円)÷300万円×100=133%
例えば購入時諸経費の300万円+頭金1割の500万円、計800万円を払ったとすると、投資利回りは50%となります。
②(500万円ー100万円)÷800万円×100=50%
例えば、購入時諸経費の300万円+全額キャッシュ5,000万円、計5,300万円を払ったとすると、投資利回りは7.5%となります。
③(500万円ー100万円)÷5,300万円×100=7.5%
不動産投資におけるそれぞれの利回りの役割
それぞれの利回りについて説明しましたが、『ではどうやって使い分けるの?』という部分について本章で説明します。
本章の内容
- 業者とのやり取りは全て表面利回り
- 経費率を見える化する実質利回り
- 投資資金の回収スピード計算には投資利回り
業者とのやり取りは全て表面利回り
以下のように、物件検索などで普段目にする利回りは表面利回りです。

引用元:楽街
諸経費は年度や購入者の状況によって変わってくるため、実質利回りではなく表面利回りで表されるのが通常です。共通言語のようなものですね。
物件価格と家賃さえ分かれば計算できるので、一番分かりやすい指標であると言えますね。
表面利回りは実際の収入計算としては意味が無い
僕たちサラリーマンの額面給料(Gross Salary)は生活にはあまり関係ありません。
実際は厚生年金や健康保険料など結構な額が引かれて、残った分が銀行口座に振り込まれるからです。

ボーナスとか給与天引きの金額がエグイことになってますよね。。。
それと同じように物件の稼ぐ力も表面利回りでは何も分からないため、実質利回りを使って実際にどの程度の収入が得られるかを計算する必要があります。

経費率を見える化する実質利回り
上記の例で言うと、表面利回り10%に対して実質利回り7.5%。その差2.5%が経費率になります。
手のかかる面倒な物件ほど経費率が大きくなるので、経費率というよりもメンドクササの指標と言っても過言ではありません。
表面利回りで購入してフタを開けてみたらメンドクサイ物件だったとならないように、実質利回りはしっかり計算しましょう。
購入後2年目以降の実質利回りは改善する
購入時の諸経費が計算から省かれるので、実質利回りは改善します。1年目の7.5%に対して、2年目は以下の通り8.0%になります。
(500万円-100万円)÷5,000万円×100=8.0%
例えば複数の物件を持っている場合は、購入時の諸経費を含まない実質利回りで比較し、売却する物件の選定指標にすると判断しやすいです。
投資資金の回収スピード計算には投資利回り
1年を先ほどの投資利回りで割ると、何年で投資資金を回収できるか計算できます。
以下の通り、フルローンが1年以内で投資金額を回収できるのに対して、現金購入すると回収に13年もかかってしまいます。
①フルローン:1÷1.33=0.75年(12ヵ月×0.75年=9か月)
②頭金1割:1÷0.5%=2年
③全額現金購入:1÷0.075%=13.3年
ローンを組めるなら現金で買わずにローンを組んだ方が今後の選択肢が広がるということになります。

現金があるからと言ってローン組まずに買うと機会損失する可能性があります。
まとめ
POINT
- 表面利回りは共通言語のようなもの。収入計算には役に立たない
- 実質利回りは経費率を見える化する。物件の売却には購入時諸経費を省いた実質利回りで判断しよう
- 投資利回りは何年で投資金額を回収できるか判断する指標。現金購入はもったいない。
実質利回りと言っても空室率を含めた計算やローン返済を含めた計算。ローン返済の内、利払いのみを含めた計算など見せ方は色々あります。
まずは『利回り』の大枠はこの記事で説明できましたので、詳細の部分はまた別記事で書こうと思います。
ではまた!



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